新宿梁山泊第31回公演 |
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作・唐十郎
いずれも特設紫龍テント 開演:毎夜19時(仙台のみ 20日18:30/21日17:30) 前売 3,500円/当日 3,800円 全席自由(整理番号付) |
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◆『唐版 風の又三郎』豆知識◆
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唐十郎が、宮澤賢治の「風の又三郎」に発想を得た、極めて叙情性の濃い本作品『唐版 風の又三郎』の初演は1974年。福岡、広島、大阪、京都、東京、果てはパレスチナ、シリア、レバノンでも上演された伝説的な名作です。 1973年、陸上自衛隊宇都宮分校で、整備員の菅野三曹(当時20才)がLM1型練習機を無断で操縦して飛び立ち、そのまま消息を断った事件がありました。その後の捜索でも見つからず、大平洋に墜落したのだろうという事でこの事件は人々の記憶から忘れられ、現在まで彼の動機も手がかりも謎のままです。 『唐版 風の又三郎』の物語は、下町で二人の男女が出会うところから始まります。精神病院から逃げ出してきた青年「織部」と宇都宮から流れてきたホステスの「エリカ」。名前からすると、ギリシャ神話の「エウリデュケとオルフェウス」を連想させるこの二人は、物語中、恋人同士ですらなく、ただ『風の又三郎』のイメージを介して結びつくもろい関係。 汚濁した世間で生きて行く事ができずに、病院に収容され、それでも自分を連れ去る風の少年に憧れる「織部」はその面影を「エリカ」の中に見い出し、「エリカ」は自衛隊の練習機を乗り逃げした恋人を捜す道連れとして、この純真な青年を利用する。捜し当てた恋人はすでにこの世の人ではなく、二人は死者の国の住人たちによって引き裂かれてしまう・・・無惨に傷ついた二人の前に失われた練習機が現れ、二人は自ら夢見た『風の又三郎』となって、幻の飛行機に乗り巷へと旅立っていく・・・ ガラスのような精神を抱え、傷つきながらもひたすら自らの『風』である女を守ろうとする青年と、いまわしい血の記憶に翻弄される女との、恋よりも切ない物語。 唐十郎作品の中では、複雑で重奏的な時間構造や球心的なテーマ、歴史学的なテーマを貫いて、ひたすら甘美で切ない人々が作り出す『現代の神話』であると評されています。 |
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ご好評のうちに公演終了いたしました。多数の皆様のご来場ありがとうございました。
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