新宿梁山泊第33回公演
作・洪元基/翻訳・馬政煕/演出・金守珍 |
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新宿梁山泊と韓国演劇界との絆は強く、'89年に小劇場としては初の韓国三都市公演を行いました。日本文化禁止の中で、全編日本語での上演は、今のような友好ムードは全く無い緊張した状況の中で行われました。その中で私たちを懸命にサポートし、現在に続く日韓文化交流の基礎を創った一人が今回の作家、洪元基(ホン・ウォンギ)氏です。 |
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2006年 東京公演、大阪公演ともに、好評の内に全公演日程終了いたしました。 |
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【ものがたり】遠い古代のアジア、ある王国の王/エビは世継ぎの王子に恵まれない事で、神を呪い、最後に産まれた7番目の王女を川に捨ててしまう。自らの血脈の存続の為に固執するあまり、国政を顧みず、娘たちは権力争いの果て国は分断され、民は戦と疫病で死んでいく・・・。捨てられた王女は自らの素性を知らずに成長したが。運命のいたずらで、父親であるエビの子供を産む為に後宮へと送られるが・・・。
現世と来世を行き来する死神たち、神に死期を忘れられた為、永遠に生きる老人、人生の本来の価値を見出せず悲劇を招く王、その中で、未来に託した希望とは・・・。 アジア版リア王ともいうべき叙事詩を、神話と歴史の境のない古代アジアの自由な感性で表現した作品。 |
エビが来る! 洪 元基(ホン・ウォンギ) |
“エビが来るよ、エビ!”と、言うと泣き声を止めた子供がいた。子供は育ちながら、エビが起こした戦争の数々を聞いて学んだ。そのエビがまた攻め寄せると言う噂で恐怖に震え、うんざりするくらい防衛演習をし、そのエビに対する憎悪を育てた。 |
2006年 夏 (翻訳 馬 政煕)
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劇評 |
「シアター・アーツ」2006冬号 舞台時評11 |
所有のない唯一者 |
時に作品こそが時間や空間を越えて、いまを最も鋭く抉りとる瞬間がある。新宿梁山泊が上演した『YEBI大王』(作=洪元基 演出=金守珍 新宿FACE
9/13〜18)は、まさにその言葉のためにあるかのような舞台であった。 |
高橋宏幸 Takahashi Hiroyuki |