14年の時を経て、六平直政が新宿梁山泊に帰ってくる!

2005年末から2006年始にかけて、
下北沢ザ・スズナリで好評を博した
唐十郎氏書下ろしによる『風のほこり』
久々の登場 六平直政を迎え、
いよいよ物語の本拠地・浅草へ!
111日()〜10日() 毎夕7時開演
前売 3,500円/当日 3,800円/学生 2,800円
〈全席自由 整理番号付き〉
於:浅草 木馬亭(台東区浅草2-7-5 五重塔通り)
●STAFF
照明 泉次雄(ライズ)
照明オペレーター 宮崎絵美子(ライズ)
美術 大塚聡+百八竜
振付 大川妙子
衣裳 近藤結宥花・沖中咲子
小道具 池田実香
劇中歌作曲 大貫誉
音響 N-TONE
音響オペレーター 目黒杏理
宣伝美術 梶村ともみ(画)・福田真一(デザイン)
制作 新宿梁山泊事務所
●登場人物
田口加代…渡会久美子

浅草玉木座の劇団〈プペ・ダンサント〉に、脚本を売りこみにくる。舞台下にある文芸部屋の水守に指導される。この昭和5年に弱冠二十歳。

水守三郎…大貫 誉
水が溜まってる部屋(半浸水の)でゴム長はいて、カーボン紙はさんだ台本台に、笑いと真心こめた物語を書こうとあがく。
〈奇々怪々一座〉の怪々をやる呑界(どんかい)…金 守珍
〈プペダン〉の主要チームで、豪快なリーダーだが、一座は二人しかいない。
奇々なる面影(おもかげ)…六平直政
呑界が恋に狂って脱線する度に、母の面影となって「呑(どん)ちゃあん」と呼び止める。ジュゴンの言葉を解する。
君枝…三浦伸子
加代が通う七重(ななえ)医院の看護婦で、浅草水族館の二階にある〈カジノ・フォーリー〉に入りたがっている。
(くら)…広島 光・米山訓士(ダブルキャスト)
細工師・湖斑(こむら)の走り使いをやっている。根が、さほど暗くないことは「金色夜叉」の貫一を演じて分かる。
浪子の人形
奥山の小屋掛けで立っている。浅草十二階下の町の記憶を秘めた仇花。
湖斑(こむら)…鳥山昌克(劇団 唐組)
この人に会うと、誰もが筋肉のこむら返りを起こすという。加代が住んでいる根岸町の長屋に、かつて住んだという義眼の細工師である。
浅子…梶村ともみ
水守三郎と同棲したことがあるが、今は別れて他の舞台役者とつき合っている。水守と同居前には、リリィという踊り子とも恋をしていたこともある。
ジュゴン

〈カジノ・フォーリー〉の階下にある水族館に住む。困った時の面影の話し相手。フォルス(底力)をもつが、出てこないで、面影によって語られる…。

高見刑事…コビヤマ洋一

【物語】
昭和5年の浅草。軽演劇華やかなりし頃。芝居小屋玉木座の舞台下の文芸部屋に、駆け出しの文芸部員 水守三郎が日々、新しい物語を生み出そうと奮闘している。そこへ毎日通ってくる作家志願の女 加代。加代は左目を幼い頃の病でなくし、義眼を入れていた。階上の舞台では人気劇団の「奇々怪々一座」が次の出し物の稽古をしているが、水守の筆は進まず、稽古は滞って苛立っている。そこへ、義眼職人の湖斑(こむら)がやってきて、加代に渡した義眼を返してくれと・・・。
既成の価値観から抜け出し、ひたずらに新しい物語を生み出そうとする芸人、作家。時代の波に翻弄された一人の女。水の滴る舞台下の文芸部屋から、ジュゴンの唄う水族館。・・・近づく戦争の足音・・・。

唐十郎氏が初めて新宿梁山泊のために書き下ろした作品。実際に作家志望であった氏の母を実名で登場させ、現実の母「加代」の物語と、劇作家「加代」の紡ぎ出す物語が複雑に交差し絡み合う。

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