水の滴る地下の文芸部屋 |
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●九州公演 於:北九州芸術劇場 小劇場 |
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前売3,500円/当日3,800円/ |
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●登場人物
●STAFF ■照明 泉次雄(ライズ) ■照明オペレーター 古賀裕一郎(ライズ) ■美術 大塚聡+百八竜 ■振付 大川妙子 ■衣裳 近藤結宥花・沖中咲子 ■小道具 広島 光 ■劇中歌作曲 大貫誉 ■音響 N-TONE ■音響オペレーター 目黒杏理 ■宣伝美術 梶村ともみ(画) 福田真一(デザイン) ■制作 新宿梁山泊事務所 |
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演劇的冒険の旅路の果てに
堀切直人 唐組の芝居は、横道が縦横に張りめぐらされた、錯綜たる迷宮の様相を呈する。ところが、名作「少女仮面」をはじめとして、唐十郎が他劇団の依頼で書き下ろした戯曲は、大胆に整理され、シンプルなまとまりをもつ。とりわけ、この「風のほこり」は、小さな劇場の小さな舞台を想定して書かれたものだけに、登場人物の数も少なく、密室の求心力、集中力が強い。唐十郎は本作で初めて、劇中に自分の母を実名でヒロインとして登場させた。この母が昭和五年ごろ、浅草六区の劇団「プペ・ダンサント」に脚本を売りこみに行ったが没にされたという実話をもとに、作者は、劇場前の水溜まりのある空地で、片目が義眼の娘の、メルヘン的想像力を携えての演劇的冒険の旅程をくり展げる。この旅路の行き着く果てに現われる、ラスト十五分間ほどの、義眼や水鏡のような死物が息を吹き返して甦ってくる、息を呑むようなスペクタクル・シーンに向けて、劇団・新宿梁山泊はドラマを分厚く、緻密に積み上げていくだろう。 |
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